物流不動産という「ものづくり」の可能性
「あなたは、何のために働いていますか?」
お金のため?、家族のため?、それとも生きがい?
いざこんな風に聞かれると、ちょっと戸惑っちゃう人もいると思うんです。
ぶっちゃけ、私もそのひとり…、いや、「ひとりでした」のほうが、しっくりくるかもしれません。
物流不動産って仕事って、「これをやればOK」みたいなスタンダードなやり方がない。「とにかく人と会ってこい!」みたいな、良くも悪くも開放感みたいなものがある。
これが、たぶん私には合っているんでしょうね。
いろいろな人と会って、話して、想像力をふくらませる。情報は情報でしか贖(あがな)えないから、人間力がとことん試される。
そんな怖さと痛快さが同居している、それが物流不動産の醍醐味じゃないかと、最近良く考えるんです。
そうそう、私は、もともとものづくりに憧れていました。
何のことかって?、すいません、話が唐突に飛んでしまって。
子供の頃から、職人さんの作業とか見るのが好きで、近所の工場なんかで旋盤で金属を加工する様子なんて、飽きずに眺めていました。工事現場なんかも楽しいですね。クレーン車、ブルドーザーなんかが来て、たくさんの人が働いて、道路やビルが出来上がっていく。毎日高さを増していくビルに、心躍らせたものです。
だけど、私が働き始めたのは、ものづくりの会社ではありませんでした。
正直に言えば、ものづくりに対する憧れなんて、すっかり忘れて社会に出ていました。
「つ」くるって、いろいろな漢字がありますよね。
作る、造る、創る。
「物流は社会のインフラだ」って言い方をしますけど、だとすれば倉庫って畑のようなものだと思うんです。倉庫に入って、そして出ていくものは荷物だけじゃなくて、皆の想いとかアイディアとか、そんなものが入庫して、そして商品というビジネスの形になって出庫していくんじゃないかなと…
だとすれば、物流不動産って、お客さんのビジネスを「創る」ものづくりの仕事なんだ。
ああ、なんだ…、子供のころ憧れていたものづくりに、私は携わっているじゃないか。
「あなたは、何のために働いていますか?」
楽しいから。それが今の私の答えです。